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国民の命よりカネに固執して遅れた五輪延期の判断。延期でも経費はさらに倍増。東京五輪は亡国への道<本間龍>
- 1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/04/20(Mon) 12:35
- 国民の命よりカネに固執して遅れた五輪延期の判断。延期でも経費はさらに倍増。東京五輪は亡国への道<本間龍>
2020 4/20(月) 8:32配信
shutterstock
日増しに新型コロナの感染者数が増えていく日本。いまでこそ緊急事態宣言を出して自粛要請している安倍政権だが、完全に「後手後手」となっており、終息の気配はいまだ見えてこない。
それもそのはず、安倍政権は組織委や東京都と一緒になって、つい最近までオリンピックをやる気でいたからである。
なぜ、オリンピックに固執し、後手後手に回ったのか? その背景について、21日発売の「月刊日本5月号(4月21日発売)」で、オリンピックの無償ボランティアの闇を描いた『ブラックボランティア』(角川新書)の著者である著述家の本間龍氏が詳らかにしている。
「マネーファースト」の延期決定
―― 東京五輪の延期が決定しました。
本間龍氏(以下、本間): 延期によって問題が解決されたわけではなく、むしろ問題はより一層深刻になってしまったと思います。今後、「マネーファースト」の商業五輪の弊害はますます拡大していきます。
今回の決定に至るプロセスは、まさに商業五輪の本質を暴露したものだったといえます。延期を決定するタイミングが遅れたのも、延期後の日程が来年の夏になったのも、全てカネの事情です。
もともとIOCや日本政府、東京都、大会組織委員会(組織委)は予定通りに東京五輪を開催したがっていました。中止になったら利益や投資がすべて水の泡で、延期でも莫大な追加コストがかかるからです。そのため、ギリギリまで判断を遅らせようとしていました。
しかし2月中に予定されていた五輪選考の予選大会はすべて吹っ飛び、2月下旬には国際的に「今年の開催は無理だ」という暗黙の了解ができていた。それでもIOCは3月17日に「開幕まで4カ月以上も前に抜本的な決断を下す必要はない」と、予定を変えない意向を示していました。
これに対して世界中のオリパラ委員会や競技連盟、アスリートから猛批判の声が上がりました。3月22日にはカナダのオリンピック委員会が「今夏開催の五輪には選手団を派遣しない」と発表する事態にまでなりました。これを受けてIOCは、翌23日に「延期を含めて検討を開始する。4週間以内に結論を出す」と発表しましたが、これまた批判にさらされて、翌24日の夜にバッハ会長と安倍総理が電話会談で延期を合意せざるをえなかったということです。
東京五輪は「アスリートファースト」を掲げていましたが、実際にはギリギリまでカネにしがみつこうとして、世界中のアスリートから総スカンを食らってやむをえず延期に追い込まれたということです。結局、いざという時に出てきたのはアスリートへの配慮ではなく、カネの心配だったわけです。一連の中止・延期騒動によって、「マネーファースト&アスリートラスト」である商業五輪の本質が浮き彫りになったといえます。
次ページは:根拠なき「来年の夏」もスポンサー都合
- 2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/04/20(Mon) 12:41
- 根拠なき「来年の夏」もスポンサー都合
―― 延期決定の背景には、米放送最大手であるNBCの存在があったと指摘されています。
本間:NBCはIOC最大のスポンサーで、2014年冬季大会から2032年夏季大会まで総額120億ドル(約1兆3000億円)の契約を結んでいます。
当然、IOCはNBCの意向を無視することができない。現にIOCが延期を決定した前日には、NBCが「いかなる結論でも従う」という声明を発表して延期を容認していたのです。NBCが延期を容認したのは、得もしないが損もしないというソロバン勘定です。NBCは「保険などで損失は出ない」と言っていました。
―― 延期後の日程は「来年の夏」に決まりました。
本間:それもNBCの都合です。たとえば大会組織委の高橋治之理事は「1年未満の延期は、米国の野球やアメフト、欧州のサッカーなど主要なスポーツイベントとぶつかるため、困難」と発言しています。
結局、東京五輪はNBCがカネを儲ける手段であり、最優先されたのはNBCの意向だということです。日本はNBCのビジネスに踊らされているにすぎません。
―― 「マネーファースト」の結果、さまざまな弊害が生まれています。
本間:日本の場合でいえば、決断を遅らせた結果、コロナ対策が遅れたという側面は否定できないと思います。五輪延期が決定した3月24日以降、東京都内の感染者数は急増しましたが、そんな偶然があり得るのか。東京五輪の開催を見越して、感染者数の発表を意図的に抑えていたとしか思えない。「人命」よりも「カネ」を優先したということです。
しかしこれは今に始まったことではない。もともと東京五輪は猛暑で選手や観客、ボランティアの生命を危険に晒していました。組織委や東京都、日本政府の体質はコロナでも変わらなかったということです。
五輪経費は4兆円を突破
―― 延期により、大会費用がさらにかかります。
本間:ただでさえ東京五輪には莫大なカネが使われています。これまで組織委と東京都は、大会経費は1兆3500億円、そのうち組織委と東京都がそれぞれ6000億円、国が1500億円を負担すると発表していました。
しかし、実際にはもっとカネがかかっています。東京都は6000億円の開催経費に加えて8100億円の「大会関連経費」を計上しています。
国も1500億円の開催経費に加えてセキュリティ対策などの「関係予算」として1380億円を計上しています。しかし会計監査院は昨年12月、国の五輪関連予算の支出は18年度までの6年間で、既に1兆600億円にのぼっていると報告しています。〈参照:会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書〉
つまり、実際の経費は組織委が6000億円、東京都が1兆4100億円、国が2880億円であり、それとは別に国は五輪に紐づけてバンバン関係のない事業を行い、すでに1兆600億円も使い込んでいるということです。五輪経費の総額はすでに3兆円を超えていますが、ここからさらに延期コストが乗っかってくるのです。
組織委は延期経費を3000億円程度と見込んでいますが、関西大学の宮本勝浩名誉教授は延期経費が4225億円、延期による経済損失は6408億円と試算しています。このままでは五輪経費の総額は4兆円を突破するのではないか。
―― これだけカネをかけても、来年の夏に開催できるかどうかは分かりません。
本間:1年延期は人間の都合で決めただけで、新型コロナウイルスには関係のない話です。現在の状況は「延期・中止・開催」の三択が「中止・開催」の二択になっただけで、中止の可能性は依然として残っています。
来年コロナが収束しているかどうか分かりませんが、これからアフリカなど発展途上国に感染が拡大していくことを考えると、来年の開催も危ういと言わざるをえない。先ほど紹介した宮本教授は、東京五輪が中止した場合の経済損失は4兆5151億円と試算しています。
次ページは:「開催」でも「中止」でも地獄
- 3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/04/21(Tue) 23:22
- 延期の費用数千億は日本が払う、そう安倍が決めたと。
- 4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/04/30(Thu) 09:04
- 追加費用は約6400億円? 五輪延期のカネを日本国民が負担することになる理由
2020 4/30(木) 6:00配信
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・森会長 ©?getty
新型コロナウイルスの世界的流行のため、2021年7〜9月に延期された東京2020オリンピック・パラリンピック大会。国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府は延期合意から1カ月が過ぎても、誰がいくら追加費用を負担するかでもめている。延期ありきがまかり通るオリンピックという名のスポーツ・ビジネスの欠陥がまた明らかになった。
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日本政府は追加費用の合意について否定したものの
「どれぐらいのコストがかかるのか、現時点では明らかになっていない。誰が、どのくらい払うかも議論されていない。まだ追加費用、負担が決まっていない、積算されていない」。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は4月23日のインターネット会見で追加費用について見解を示した、とメディアが伝えた。
IOCがその3日前、ウェブ上に掲載した「よくある質問」(FAQ)で、追加費用について、「日本の安倍晋三首相は、既に合意した現行の契約条件下、引き続き日本側が負担することで合意した」「(IOC側の負担は)数億ドル」などと掲載。延期決定直前まで通常開催にこだわった安倍首相が追加負担を密約していたのかと、 IOC の FAQ に世界中のメディアは色めき立った。
日本政府は合意を即座に否定し、組織委を通じて追加負担に関するFAQ削除を要求。武藤氏も改めて合意を否定し、論拠として追加費用の金額そのものが不明と言い切った。
IOCは4月21日、「IOCと日本側は、延期によって引き起こされる影響を共同で評価し、議論し続ける」とFAQを修正。安倍首相の負担合意やIOCの負担額を削除した。この文脈で、安倍首相の追加負担合意を否定したのが武藤発言と、多くのメディアは軽く流した。
追加費用が不明なまま、延期を決めたことが明らかに
だが、武藤氏の発言内容は問題だ。要は日本政府もIOCも、いくら費用がかかるか不明なまま、オリンピック延期を決めた事実を大会の責任者が認めたことを意味するからだ。オリンピックの興行主として特権を持つ IOC 、オリンピックのためなら税金を湯水のように使える日本政府、いずれ劣らぬ無責任体質が招いた大失態だ。
IOC の特権とは、オリンピックの開催都市との契約で、財政負担を負わないことだ。組織委や開催都市が赤字になれば、政府が債務保証するよう求めており、実際に日本政府は IOC に債務保証している。拙著「オリンピック・マネー」(文春新書)で、このカラクリやテレビ放映権料などの巨額の収益メカニズムを詳述しているが、 IOC は徹頭徹尾、損をしない仕組みなのだ。
例えるなら、加盟店への優越的な立場が問題となった大手コンビニエンスチェーンのようなものだ。 IOC というフランチャイザー(本部)が利益を確保したうえで、開催都市というフランチャイジー(加盟店)が五輪ブランドの下で競技を運営する。これがオリンピックという名のスポーツ・ビジネスなのだ。「平和の祭典」「スポーツの祭典」という美名は、どん欲なビジネスモデルの飾りに過ぎない。
次ページは:IOCと東京都が結んだ契約に書かれている内容
- 5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/04/30(Thu) 09:09
- 国民の命よりカネに固執して遅れた五輪延期の判断。延期でも経費はさらに倍増。東京五輪は亡国への道<本間龍>
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