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■ ■中世ファンタジー世界総合 11■ ■
- 1 名前:シェンリー ◆LnUU8pic 投稿日:2020/10/25(Sun) 00:41
- ファンタジー世界を背景に持つオリキャラの総合スレです。
ファンタジー系のキャラクターを演じて
名無しさんの投下するネタや質問に答えたり、仲間に話題を振って会話をしましょう。
【ルール】
1. 参加キャラは、このスレッド独自のオリジナルであること。
2. 参加キャラは、キャラ紹介テンプレを使って自己紹介をすること。(>>2にあります)
3. 単発系の質問・ネタ投下歓迎。
4.誹謗中傷などはスルーすること。
【外部サイト】
中世ファンタジー世界総合スレッド避難所
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17089/
中世ファンタジー世界総合wiki
ttps://wikiwiki.jp/medievalftsy/
- 354 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/06/20(Thu) 20:39
- 明日は握手会!明日は握手会!うおぉぉぉお!!
(甲冑姿の集団が駆け抜けてゆく)
- 355 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/06/21(Fri) 01:10
- ・ランディア
到着。市門の堅牢さは、これまで見てきた街の中でも随一。
宿をとる。必要な物資を購入、他、所用を済ませる。
栄えた街とは聞いていたが、想像以上に人が多い。
貧民街の訪問は明朝を予定。
・記録
概ね落ち着いているが、そろそろ発作が起きる頃合だろう。
個室を取れたことに感謝せねばなるまい。
滞在中に
・・・・・・・・・・
……しまった。インクを買い忘れていたか。
買い忘れぬようにメモを……、するためのインクがないのだった。
>>352
言葉から察するに、貴公の出身地には魔女が多いのだろうか。
魔女と関わる機会も多いが、実態と乖離した悪辣な噂も多い……と。
どこであろうと、噂というものの性質はさほど変わらぬようだ。
囁き交わされるうちに姿を変え、面白おかしく尾鰭もつく。
魔女についての奇怪な噂なら、私も聞いたことがあるよ。
匂いを嗅がれると魂を奪われてしまうだの、
枯れ木のように痩せこけていて口から猛毒の黒霧を吐き出すだの、
男を根絶して豊満美女のみの楽園を作ろうと画策しているだの、
例を挙げていけばきりがない。
巷間の噂も、情報の一つとして心に留めておくまでは良いが、
耳にした内容の全てを真に受けるべきではなかろうな。
私の言葉も、貴公の言葉も、互いにとって数ある風聞の一つというわけだ。
実際のところは、関わった際に自力で判断するとしようか。
>>353
いかにも。本業は薬師だが、疫病医の肩書きもある。
その口ぶりなら、かの大悪疫――黒死病についてはご存知だろう。
この大陸でも、様々な悪疫が幾度となく猛威を振るった。
近年では、そういった疫病の大流行も落ち着いて久しいが……
小規模な流行ならば、今なお各地で発生している。
中でも、大都市の貧民街などは、統治者の管理が行き届かぬことが多い。
そういった環境は、疫病の発生地にもなりやすいものだ。
そのような経緯で、私が所属する治療者ギルドでは、
疫病の発生状況に関する調査・治療を請け負っている。
放っておくと、消毒と称して貧民街に火を放つような屑も湧くのでな。
……とは言え、私が常にこの格好なのは個人的な理由でね。
この装束は、病に対する防護の意味合いを持つ。
病を内に入れぬということは、同時に、外に出さぬということでもある。
要するに、私自身も厄介な病を患っているというわけだ。
貴公、私にあまり近寄らぬよう気をつけたまえよ。
これまで人に伝染った例はないが……万一ということもあるだろう?
>>354
私も、じきに行く。かの地で、再び見えよう。
……言葉をかけたところで、もはや聞こえてはいまいか。
貴公も、きっと知りたいとお考えだろう。
彼らが向かった先に、何があるのか。
純粋で、輝きに満ち、ただ熱狂によって人の心を漂白する……
そのような恐ろしい存在が待ち受けているのさ。
まあ、言うなれば宗教行事のようなものだ。
さて、彼らに対する心配は無用だろうが……心配なのは遠方よりの旅人かね。
行列や祭り騒ぎに目がない輩は、どこにでもいるものだ。
野次馬気質とでも言うべきか、何事か分からずとも参加したがる。
生半可な覚悟で参加しては、命さえ落としかねんというのに。
ここは一つ、メッセージでも残しておくとしようか。
そうだな……『この先、闘技場があるぞ』と、これでいいか。
本当に素晴らしい存在と握手ができる会合だと勘違いしては哀れだからな。
ランディアの夏至といえば、闘技場で行われるリベルタス杯。
武闘大会を握手会と呼ぶのはいかがなものかと思うが……
まあ、幕間に歌姫や舞姫の演目もあるようだからな。
彼女らを目当てにするなら、そう大間違いとも言えんのだろう。たぶん。
- 356 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/06/21(Fri) 22:01
- 私は相手の弱い部分を見抜く能力があるのだ
それによって医者となった
- 357 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/06/25(Tue) 01:28
-
ランディア闘技場名物・リベルタス杯。
大陸有数の規模を誇る、トーナメント形式の武闘大会である。
古の英雄の名を冠したこの大会は、年に一度、夏至の日に開催される。
その知名度は高く、優勝者ともなれば大陸中に名声が知れ渡るという。
栄達を目指す野心家、ひたすらに武を極めんとする武人、
腕試しに訪れた新米冒険者、記念に参加する観光客……。
見た目も思惑も様々な参加者が、ただ一心に勝利を目指して戦い抜く。
無論、私も闘技場に足を運んだ。……観客として。
>>356
試合に挑む前に、参加者は自由に口上を述べることができる。
戦いに対する意気込みから対戦相手への挨拶まで、その内容は様々だ。
準備室から姿を表したその男は、あまり強者らしくは見えぬ姿だった。
体格は並、装備は軽装。魔術師といった風体でもない。
対戦相手の大男が「悪いが俺は手加減できねえぜ」と述べた後、
口上を求められた男は、よく通る声で淡々と述べた。
「私は相手の弱い部分を見抜く能力があるのだ。
それによって医者となった」
それがどうした、医務室と間違えたんなら引っ込んでなと、
観客席から好き勝手な野次が飛ぶ。
「――だが、今はこの力をもって貴様を打ち負かそう」
一転して、闘技場は沸いた。
このような状況下では、得てして不遜な態度である方が盛り上がるものだ。
どちらに賭けるかという声に、私は医師の男に賭けると答えた。
今回の大会は彼を応援するとしよう。
ぜひとも勝ってほしい。私の懐のためにも。
- 358 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/06/25(Tue) 01:32
- ……おっと。闘技場にかまけて連絡を忘れていた。
次回の訪問は、普段よりも少し遅れる可能性がある。
と言っても、そう長く空ける気はないがね。心配せずに待ちたまえ。
- 359 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/06/27(Thu) 20:17
- YOUは何しにこの街へ?
- 360 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/02(Tue) 01:37
- もうそろそろ、夏になるのか。
私がこの場に訪れるようになったのは、収穫祭の頃だったな。
つい最近のことにも思えるが、長い時が過ぎたようにも思える。
>>359
無論、観光だとも。……半分はな。
もう半分は、目的地へ向かうための準備と情報収集といったところだ。
……ふむ。考えてみれば、旅の目的を話したのも随分と前のことになるか。
この辺りで、一度おさらいするとしよう。
まず、私は持病に関する情報を求めて旅をしている。
長いこと治療を試みているが、手がかりさえ掴めぬまま時が過ぎた。
千年もの時を生きるエルフの賢者ならば、何か知っているのではないか……
そう考えて、彼らの住まう北西の地、聖地アケルナルを当面の目的地とした。
そして、今はここ――北のランディアまで辿り着いたというわけだ。
貴公、ランディアの人間か?
もしそうなら、何か聖地のことを聞いていないか。
聖地に向かう人間ならば、大概はこの街を通るだろう。
噂の一つや二つ、聞けぬものかと考えていたのだが……
ちょうど武闘大会の時期と重なって、街はその話で持ち切りだ。
なかなか思うように情報収集が進んでいないのさ。
・・・・・
さて……ここで少し、先の話をしよう。
夏が盛りを迎える頃、私はこの場に足を運ぶことができなくなる。
もしも話したいことがあるのなら、私がいるうちに済ませておきたまえ。
……改めて促すまでもなく、話したいことは既に話しているとは思うがね。
言うまでもない、聞くまでもないと互いに思い込んでいただけで、
相手には何一つ伝わっていなかった……というのも、ありがちな話だ。
別れを宣言するまで……少なくとも今月の間は、
今までと同じように、定期的に顔を出すと約束しよう。
先の話は以上だ。それでは、また次の機会に。
- 361 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/02(Tue) 15:21
- えっと、要約するとあなたとは二度と会えなくなるってこと??
- 362 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/02(Tue) 18:24
- じゃあ、餞別代りにこれやるよ…鳥仮面の兄ちゃんよ
オレの実家は裕福だから遠慮せず貰いな、世の中金だぜ?
つ大金貨三枚
- 363 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/02(Tue) 21:46
- >>361
二度と……と言い切ることはすまいが、暫くは無理だな。
どれほど短く済もうとも、戻るまで数ヶ月の時を要する。
この場の記録が抹消されるには十分な期間だろう。
抹消されぬよう、処置はしていくつもりだがね。
他に旅人が訪れる見込みがあれば、このような心配も不要なのだが……
残念ながら、新たな出会いや懐かしい再開に期待できる状況でもない。
ひとまず今は、貴公がこの場に足を運んでくれたことに感謝を。
そして、残された時間を良いものにできるよう、尽力しよう。
>>362
だが断る。
このジャックドウが最も好きな事のひとつは、
自分で親切だと思っている申し出に「NO」と断ってやる事だ。
貴公の善意を踏みにじった詫びに一つ、つまらない情報をさしあげようか。
我々のような人間は、時に肉体よりも誇りを傷つけられる方が堪えるものだ。
偏屈な物言いで悪いが、私は一方的な施しを受けたいとは思わん。
さほど豊かでないのは事実と認めよう。しかし、自活はできている。
他者のお恵みに縋りたいと思うほど落ちぶれたつもりはない。
……ひねくれた人間ですまないな。
貴公の主張は正しいとも。金銭で贖えるものは多い。
だからこそ、他人にばらまくよりも有益に使いたまえ。
私は旅の無事でも祈って頂ければ十分だよ。
- 364 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/02(Tue) 23:15
- 薬師である貴方の最終目標は?
- 365 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/03(Wed) 18:31
- 蜜月とはかくも短いものか……
いずれ帰りたまえよ
貴殿の旅は、未だ道半ばであろうから
- 366 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/05(Fri) 00:00
- 待て、貴公。私が良いと言うまでそこを動くな。
……危ないところだった。ああ、もう良いぞ。
なに、この茸が貴公の足元に生えていたものでな。
踏む前に気付くことができて幸運だった。
……いや、別に危険な毒ではないが。むしろ良薬の材料になる。
この茸は滅多に姿を表さぬ上、収穫可能な時期が短いのだよ。
時期を逃せば瞬く間に朽ち、幻のように姿を消してしまう。
うっかり踏まれては収穫できぬだろう。実に危ないところだった。
>>364
薬師として語るのなら、そうだな……。
……悪いが、もう少し待ちたまえ。今、よく考えているところだ。
そこになければないですね、というわけにもいかんだろう。
しかしな、明日をも知れぬ生活をしていると、未来を考える余裕がないのさ。
明後日ですら、そんな先のことは分からないと言いたいぐらいだよ。
……さて、待たせたな。一つ、思いついた。
これまでに見知った薬草の効能、民間療法、病の症例、対処――
それらの知識を、書物の形にまとめることを目標としたい。
実用的で、可能なら安価で、貧しい者でも手元に置ける……
持っているだけでも、少しは安心できるような本だといい。
貴公に、感謝せねばなるまい。
未来など、実在すら疑わしい妄想のようなものだと思っていたが……
たとえ妄想だとしても、考えてみることで希望を持てるものだな。
考える価値はあったよ。十分に。
>>365
おや、この鳥の囀りはそんなにも甘かったかね?
何はともあれ、貴公に蜜月と感じて頂けたのなら何よりだ。
人生、思うようには行かぬことばかりだな。
これも運命神の気まぐれか、深謀遠慮あってのことか。
もしくは相変わらず、愛情表現の手法を誤解しておいでなのか。
だとしたら、我らが主神にはご子息の教育を見直して頂きたいものだ。
安易な口約束は誠実さに欠けるが、しかし――
それでも期待を込めて「いずれ、旅の続きを」と言いたいものだ。
……。
いや……以前にも、このようなことがあったような気がしてな。
何だったか……ああ、そうか。家を出た時だ。
同じではないが、確かに似たようなことを言った。必ず帰る、と。
妹を泣かせたのも、弟に嘘をついたのも、あの時が初めてだったな……。
……おっと、すまない。一人で感慨に浸ってしまった。気をつけねばな。
過去の記憶は優しく心を慰め、明日を生きる活力を与えてくれるものだが、
過去を振り返ってばかりいては、先に進めなくなってしまう。
貴公も、気をつけたまえ。我々が生きているのは、今なのだから。
- 367 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/05(Fri) 00:56
- ドラゴンを見たことがありまして?
さぞや力強く美しい姿なのでしょう
- 368 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/05(Fri) 15:48
- 規約ではスレ主がこれくらいの期間を不在すると表明して何時帰還すると明記すれば此処が消される事は無いよ
- 369 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/06(Sat) 01:30
- 私は寒さが苦手だが、暑さにも弱い――という話はしただろうか。
何にせよ、この時期までに北方に来られて良かったよ。
旅の進み具合によっては、どこかで蒸し鳥が出来上がっていたかも知れん。
>>367
ああ、あるとも。ほんの二度ばかりのことだがね。
一度目は、遠方の旅人が連れていた騎竜だった。
よく人に慣れていたが、やはり竜と言うべきか。
強く賢いが、そのぶん誇り高く扱いが難しいという。
背に乗せるのは、竜自らが相棒として認めた人間のみ。
主従ではなく対等の間柄ゆえ、時には喧嘩もすると聞いたよ。
馬より遥かに大きかったが……あれでも、竜としては小柄なのだろうな。
二度目は……旅の竜とでも言うべきか。少し言葉を交わした。
幼体のような姿でな。力強い、美しいという感じではなかったが……
親しみの湧く、非常に愛らしい竜だったよ。
叶うことなら、また彼の発表を聞かせて頂きたいものだ。
……少々、変わり種ばかりだろうかね。
童話や伝説に語られるような巨竜は、未だ目にしたことがない。
旅を続けるうち、いずれ目にすることもあると信じたいものだ。
目にした後、五体満足で帰れるとなお良いのだが。
>>368
貴公の心遣い、有難く受け取った。
だが、心配には及ばないよ。場の規則については十分に存じている。
どうにも先行きが不透明でな。具体的な日時の指定は難しい。
差し当たって、この場の記録を止めて頂くよう申請を行う予定だ。
……ふむ。私の話し方では分かりづらいかね。
具体的な対応については以下の場で話している。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17089/1425469748/133
普段とは姿や雰囲気が異なるかと思うが、紛れもなく私だ。
この件に関しては、そちらで会話を行うほうが互いに楽かと思う。
この場では話しづらい内容、私の言葉では分かりにくい内容に関しても同様だ。
強制できることではないが、選択肢として提示しておこう。
- 370 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/07(Sun) 01:37
- やあ、薬師の旦那
武術大会の決勝はどうなったんでヤンスか?
金のないアッシにも教えて欲しいでヤンス!
- 371 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/08(Mon) 03:25
- あちらの空に、強く輝く星が七つ連なっているのが分かるかね?
私の国では、あれをリエンツィの七つ星と呼んだ。
鍛治神リエンツィが鍛えた七つの神器になぞらえているのだろう。
方角を知る助けになる星として知られるが、武芸の上達を願う星でもある。
何の為に強くなるにせよ、道を誤ることのないように、とな。
>>370
貴公か。その様子は、依頼でしばらく街の外にでも出ていたのか?
この時期は皆、あまり外に行きたがらないからな。
仕事を引き受ける人員が少ない時は、依頼者の金払いも少しは良くなる。
我々にとっては稼ぎ時というものかね。
さて、決勝の話だったか。そうだな……
有力候補として注目されていた奴が何人かいたのは覚えているかね?
たとえば“黒騎士”エクリス、“忌み子”レイン、“不壊の”ナハト。
ああ、別に知らなくても構わない。有力候補は全滅した、という話だからな。
ちなみに私が応援していた者も三回戦で敗退した。
決勝戦は、大会前にはまるで注目されていなかった新顔同士。
名前を呼んだとて、顔すら浮かばぬような無名の二人だよ。
彼らの実力が確かであることは、決勝までに存分に証明した。
しかし、どちらも未だ決定的なものを隠している――そんな予感がした。
……異様な雰囲気だったな。昂揚感よりも緊張感が勝るような。
――続きが聞きたいかね?
金のない貴公でも、街の噂ですぐにも耳に入るだろう。
だが、今すぐに聞きたいのなら、暑気に抗う水薬でも買っていきたまえ。
生憎、私も高い薬を買ったばかりでね。懐に余裕がないのさ。
退屈によく効き、時に反省を促す良い薬だよ。賭博とかいう名前のな。
- 372 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/11(Thu) 23:03
- お腹が弱いのですわ・・・何か良い薬は無いかね
- 373 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/13(Sat) 01:15
- ――ずっと健康に暮らしていた人間が、ある時、急な病に倒れたとする。
大概は、病とはそういうものだと納得して終わりだろう。
だが、その人間が“面倒な立場”であった場合……
得てして、別の可能性がまことしやかに囁かれるものだ。
……さて、ここで一つ問題だ。
ありふれているが、具体的に何なのか特定できぬ症状。
決定的な証拠も痕跡も、何も残されていない状況。
この場合、病と呪いと毒を判別する、明確な方法は存在するだろうか?
>>372
腹なら甘藍の葉を煎じた薬が良いだろう。様々な不調に広く効く。
しかし……その様子では、薬の効果も一時しのぎといったところか。
体質とは難儀なものだな。煩わしくとも縁を切れる間柄でもなし。
日頃より細やかに気を配ってやるのが一番の薬かも知れん。
気難しい淑女と同居しているようなものだと思いたまえ。
怒らせた後で機嫌を取ろうとしても、却って拗らせる元となるだろう?
普段から、可能な限り良好な関係を築いておくのがいい。
暴飲暴食を控え、冷やさず……後は、そうだな。
心労で痛むようなら、鬱憤を溜め込まぬことも必要か。
平穏も健康も、小さな我慢と歩み寄りを積み重ねた果てに勝ち取り――
そして、時にあっけなく崩れ去るものだ。結局な。
そうなった時には、また来たまえよ。
- 374 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/13(Sat) 18:37
- あんたも医者なら、死者すらも蘇らせた伝説を持つ医者の神様は知っとるよね?
- 375 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/13(Sat) 19:04
- あなた方、お医者様は人命を救命することだけが善だと思ってる節がある
だがそれだけじゃ間違いだよ、隻腕隻足になってまで生かして欲しいと思うかい?
生と死のバランスを取らなければダメだよ、時には患者を安らかに死なせてやるのも
医者の大事な役目だと思うのだがね…ワシのこの考えは悪くて間違っているかい?
- 376 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/16(Tue) 00:06
-
どのような人間にも、上手く行かぬことはある。
今回はそういう話をしようか。決して愉快な話ではないがね。
――時間は、少し遡る。
ランディアの街に到着した当日。
宿をとった私は、まず治療師ギルドの支部を訪ねた。
この街に滞在して薬師の仕事をするのなら、挨拶ぐらいは必要だろう。
下手をすると、人の客を横取りしてしまうことにもなりかねない。
……そう思ったのだが。
「ああ。助かりますよ。ここ、いないですからね。医者」
ギルドの受付は、淡々とそう述べた。
「……いない? これだけの大都市で?」
「ゼロではないですけど。ありますから。色々と」
「戦闘の多い地域だろう。医者の需要はあるはずだが」
「はい。ちょうど、様子を見ておきたい患者さんがいますね。何人か」
受付は名簿を閉じて、肩をすくめた。
「まあ、すぐに分かるんじゃないですか。色々とね」
>>374
「あんたも医者なら、死者すらも蘇らせた伝説を持つ医者の神様は知っとるよね?」
こう話したのは、この街で請け負った最初の患者だ。
「当然だろう。医者の神なら、ジヤビルだ」
この大陸で医学の神といえば、ジヤビルの他にはいない。
彼の権能は幅広く、医学・薬学、化学に錬金術――
まとめるとすれば、知識と技術の蓄積・継承、
実験による新たな可能性の探求、といったところだろうか。
我らが治療師ギルドの象徴でもある。知らぬわけがない。
しかし、患者は渋い顔をして、首を横に振った。
「いや違うけど。何それ? ローカルな邪神か何か?」
……このように、時には邪神の扱いを受ける神でもある。
「まさかとは思うが、知らんのか? へえ? 医者なのに?
じゃあ俺の方があんたより物知りで賢いってことだ。いいよな。
まあ、あんたが何を言おうと俺の方が上なのは事実だから。
知らないなら教えたるよ。神様の子供で、最後には天に昇って……」
どうも、この患者は遠方の出身であったらしい。
治療中ずっと、私の知らぬ遠方の神話を楽しげに語り続けていた。
そうなのか、すごいな、と相槌を打ってやり過ごしていたが……
不思議なことに、肝心の内容に関してはよく覚えていない。
彼が話した内容は、頭に霧がかかったようにおぼろげになっている。
再び彼と会い、その話をされたとしても、覚えられないのではないか――
なんとなく、そんな気がしている。ただの勘だがね。
「一つ訂正しておきたいのだが、私は薬師だ」
退出前にそう述べたが、彼が私の話を聞いていたかどうかは定かでない。
- 377 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/16(Tue) 00:06
-
>>375
次の患者は、老人だった。
かつて負った怪我の後遺症で、身体が不自由なのだという。
老人は暗い瞳で俯きながら、ぼそぼそと語った。
「あなた方、お医者様は人命を救命することだけが善だと思ってる節がある。
だがそれだけじゃ間違いだよ、隻腕隻足になってまで生かして欲しいと思うかい?」
……その状態なら、まず助けられないのではないか。
その場に治癒魔法の凄腕でもいれば話は別かも知れないが。
そう思ったが、話の腰を折りそうなので黙っておいた。
「生と死のバランスを取らなければダメだよ、時には患者を安らかに死なせてやるのも
医者の大事な役目だと思うのだがね…ワシのこの考えは悪くて間違っているかい?」
私は首を横に振った。
「貴公にも、そのような思想に至った理由や、相応の経緯があることだろう」
それを頭ごなしに否定したところで、何にもならない。
この場で止めたとて、また別の人間に同じ話を繰り返すだけだ。
彼が語る内容は医者の役目についてだが、本音は少し違うように思えた。
この老人の真意は「あの時に死なせてほしかった」であり、
そして「なぜ、あのまま死なせてくれなかった」なのではないか、と。
強い不満や怒りの影には、概して、深い悲しみが潜んでいるものだ。
他者は悲しみに寄り添うまではできても、悲しみを消すことはできない。
「悪いとも、間違いとも言うまい。
だが、生と死のバランスをとるべき存在がいるとしたら……
それは医者ではなく、神の役割だと思うがね」
「神? そんなものが本当にいたなら、ワシはこんなことになっていないよ」
彼はかつて、蛮族との戦闘に駆り出されて負傷し、体が不自由になったという。
彼の代わりに妻が働き詰めになり、やがて体を壊して他界したという。
残された子供たちも家を出て行き、連絡をよこさなくなったという。
「ワシはこんな風に生きたくなどなかった。なかったんだよ。
なあ、無責任じゃないか。何か言いなよ、お医者様。どうなんだい」
……何も言うことはできなかった。
言えることがあるとすれば「私は薬師だ」というぐらいだろうか。
言える雰囲気ではなかったので、結局、言わなかったのだが。
・・・
他、数名の“難しい”患者殿の応対を終え、私は治療師ギルドに戻った。
完全に疲れ切っていた。山歩きより疲れたかも知れない。
「とてもよく分かった。色々と」
「でしょう。飲みますか? ウチの支部の秘伝のやつ」
受付はそう言いながら、鮮やかな緑色の液体をグラスに注いだ。
凄い色をしているが、口ぶりからすると薬酒か何かなのだろうか。
「やめておくよ。人前ではこの面を外したくない」
「そうですか。暑くないですか、それ」
受付は謎の液体を一気に飲み干すと、こんな話をした。
「蛮族と戦うために、人が集められるでしょう。傭兵とかね。
で、大怪我するでしょう。故郷には帰れない。働けもしない。
無力感でイライラする。手近な人に当たり散らす。人も離れていく。
そういう生活するうち、なっちゃう人がいるわけですね。ああいう感じに」
そもそも、医術を志す人間は、人を助けたいという意思があるものだ。
助けたかった患者を助けられず、心を病む医者も珍しくはない。
それに耐えても、お次は絶望した負傷兵たちが、
また違うやり方で心をへし折っていくというわけだ。
「辞めるか、別の街に行っちゃうんですよね。心の柔らかい人は、皆。
続けてる人たちも、ああいう患者さんは避けるし。
あなたはいいところに来てくれました。運が悪いですね」
「……助けになったようで何よりだよ」
「はい。またお願いしますね」
――この街には人間性が限界を迎えている輩しかいないのか。
そんな風に感じたよ。あの時は本当に、不安で一杯だった。
武闘会が終わり次第、可能な限り早く立ち去ろうかとさえ思ったが……
結局、私はまだこの街に滞在している。
まだ宿の日数もある。それに、情報収集も足りていないからな。
人生は長く、どのような経験が役に立つか分からないものだ。
時が過ぎてしまえば、ろくでもない思い出も懐かしく……
……いや、さすがにこれはどうだろうか。難しいかも知れんな。
まあ、いい。細かいことはまとめて未来の私に託すとしよう。
- 378 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/16(Tue) 03:50
- 末期的患者には尊厳死が良いと思う、終末ポスピタルでローダナムの服用が好ましいかな
- 379 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/16(Tue) 04:01
- この街には闇医者で通称「白い死神」って二つ名で呼ばれている薬師がいるらしいよ
金さえあれば喜んで死を望む患者を安楽死させてくれるらしいが、あなたはどう思う?
- 380 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/16(Tue) 06:41
- 魚魚魚!新鮮採れたてピッチピチ!!
さあさあそこの陰気な旦那も買っていきな!
- 381 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/16(Tue) 23:04
- ……ああ。貴公か。昨晩、飲みすぎてしまってな。
おかげで顔色がこんなに真っ黒になってしまったよ。
副作用で嘴も伸びてしまって……と、茶番は程々にしようか。
私にも酒に逃げたくなることぐらいあるさ。
>>379
貴公。話をする前に、一つ、私の頼みを聞いてほしい。
すまないが、この話題はこれきりで終わりにしてくれたまえ。
せっかく武闘大会で気晴らしをしたのに、また気が滅入ってしまうよ。
できることなら、私は晴れやかな気持ちでこの場を後にしたい。
……さて、話すと決めたからには真面目に話そうか。
件の死神殿は、彼なりの誠実さで患者に向き合っているのだろうな。
彼の行い全てを肯定しようとは思わんが、理解できる部分もある。
患者の苦しみを取り除くことも、尊厳を守ることも、大切なことだ。
だが、医者は神ではない。無論、薬師もな。皆、ただの人だよ。
人の身にできること、手を伸ばせる範囲には限りがある。
生も死も、選んだ結果は重く、取り返しがつかない。
何が正しく、何が間違いか。何を優先し、何を切り捨てるか……
時には、こうして自らに問うことも必要なのだろうな。
かと言って、そのような自問自答ばかりしていては、心が壊れてしまうがね。
自分自身を守るためにも、ある程度は割り切らねばやっていられないものだ。
私から話せることは、大体、こんなところだろうか。
>>380
おや、心外だな。私はこう見えて陽気な鳥なのだが。
服装はご覧の通りの烏でも、心は火炎鳥の如く燃え盛っているとも。
しかし、心は目に見えず、見えてしまっては面白みのないものだ。
私の言動の端々から想像を膨らませてくれたまえ。
見え隠れする手がかりを探り、隠された何かを追うのは、面白いことだろう?
さておき、魚か。せっかくだ、一尾頂こう。
以前に立ち寄った村の魚には、目の病を治すという伝承があった。
そのように、魚が薬になるという伝承は大陸各地にあってな。
皮膚疾患や宿酔を和らげるという話も多いよ。
この近隣の魚はどうだろうかね。
話のついでだ。良い調理法などご存知ではないかな?
土地の魚には土地の調理法があるものだろう。
余所者の知識が良い結果をもたらすこともあれば、
余計なことをせず、素直に伝統に従った方が良いこともある。
料理の下手な輩というのは、大概、変に独自性を出そうとして――
……いや、この話はやめておこうか。思い出すと腹が痛くなる。
- 382 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/16(Tue) 23:47
- 盗賊さんに…私のハートを盗まれてしまいました…
- 383 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/17(Wed) 03:10
- アラワ騎士団の長テオが亡くなったそうだ
偉大なるテオ・アラワナイトに神の慈悲があらんことを
- 384 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/17(Wed) 12:17
- 俺とチキンレースする度胸のある奴はいるか
- 385 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/17(Wed) 15:08
- あらら、貴方とはもっと生と死のお話がしてみたかったが…荒らし扱いとは……とても残念だ
- 386 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/17(Wed) 16:03
- 魔女も薬師も同じ役割を持つ「医者」的な存在だと思うのだが…厳密には違うのかね?
- 387 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/17(Wed) 18:12
- 全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。
その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ。
- 388 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/17(Wed) 21:03
- 北へ行くのですね鳥のお方
これもなにかの縁でしょう我が家のミードを一杯どうぞ
血となり肉となりあなたの旅路の助けとなりましょう
- 389 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/19(Fri) 01:16
- 近隣で名高い騎士団といえば、イラ地方の守護騎士団だろうか。
決して強くはないというか……むしろ弱いという評判なのだが……
これが不思議と領民からよく慕われ、愛されているのだという。
イラ騎士団がのんびりと巡視している姿を見ると、平和を感じるそうだ。
人々と騎士団の関係も、ところにより様々ということだな。
>>382
乙女の心を盗み出すとは、不届きな大罪人がいたものだな。
それで貴公、これからどうしたいのだね?
奪われてしまった心を取り返したいのか――
それとも、仕返しに盗賊の心を奪ってやりたいのか。
だが、いずれにせよ注意したまえ。
奴らは盗みの専門家だ。素早く、狡猾で、手強い。
素人が無闇に挑んだところで、とても敵わんだろう。
精々、上手いこと逃げられるか、火傷をさせられてしまうか。
ここは一つ、周到に計画を立てて挑んでみては如何かな。
無計画では翻弄される一方でも、策を施せばまだ望みはある。
釣り出すための餌なら、貴公は既に持っているだろう?
貴公の心が盗まれたのは、盗みたくなるほどの魅力があるからに違いない。
差し当たり、すべきことは――まずは自信を持つことだろうな。
どのような駆け引きも、最後には強い意思と度胸がものを言う。
励みたまえよ、お嬢さん。
>>383
何……!? あのアラワナイト卿が……!?
惜しい方を亡くしたな……素晴らしく高潔な騎士だと噂に聞いたよ。
不正や汚職を嫌い、無駄な暴行や略奪を厳しく取り締まったとか。
些か潔癖すぎるという評判もあったようだが、
それでもやはり、彼ほどの傑物は滅多になかろう。
それで、アラワ騎士団は……やはり、腹心のディスタンス卿が継ぐのか?
彼は彼で優れた騎士に違いないが、どうにも人を避ける癖があるという。
団員を取りまとめるには不向きな性質ではないかね。
……いや、待てよ。アラワナイト卿には子息がいたな。
まだ従騎士の年齢だったはずだ――名は確か、ヨークと言ったか。
少しばかり神経質な性格の持ち主だというが、
ディスタンス卿の後見のもと経験を積めば、いずれ化けるかも知れん。
私も貴公と共に祈ろう。
偉大なるテオ・アラワナイトに神の慈悲があらんことを。
若きヨーク・アラワナイトに神の加護があらんことを。
>>384
ほう、挑戦者募集というわけか。大した自信だな。
だが、自信と度胸ならば私も負けてはいないさ。
残念ながら参加させる鶏を持っていないのだが、観戦しても良いかね?
……何だ。鶏の速さを競わせる催しではないのか?
ふむ……身を危険に晒し、先に怖気付いた者が負け、と。なるほどな。
今回は、具体的にどのような競技で度胸を試すつもりだね。
何……農場の鶏を虐めて、鶏に逆襲されないギリギリを狙う……?
貴公……さすがに小動物を虐めるのはやめたまえよ……。
鶏に逆襲をされずとも、農場主に損害賠償を求められるだろうに。
身体の傷なら治してやれるが、経済的な痛手は治してやれん。
別の方法を試そう。それこそ、鶏を走らせる程度の。
そうだな……コカトリスの好物を体に括り付けるのはどうだ。
連中の巣まで行き、石化させられないギリギリを狙って倒す。
これなら、実力と度胸との両方を試せるのではないかね?
- 390 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/19(Fri) 01:17
- >>385
私との会話を有意義なものと感じて頂けたのなら嬉しいよ。
だが、一つ誤解が発生しているようだ。それは解いておきたい。
貴公が場を荒らしに来た者だと判断したのなら、まず会話に応じていないよ。
適当に茶化したり、受け流すような対応は望まれていないと判断し、
私なりによく考え、真摯に向き合って返答をしたつもりだ。
だからこそ、貴公にも、もっと話したいと思って頂けたのではないかな。
……だが、難しい問題に対して真摯に向き合うというのは、
想像していた以上に精神に大きな負荷がかかる取り組みでな。
長く続けていては、活動に支障が出かねない状態になった。
不当な扱いを受けたと感じれば、誰でも腹が立つものだ。
貴公の言葉に非難のニュアンスが含まれているのも、その意図だろう。
貴公にとって、これは場に適した話題で、特に負担も感じないのだろう。
しかし、感情や感想は個人によって大きく異なるものだ。
一人一人が違うからこそ、対話することに意味が生じる。そうだろう?
私にとって、この話題は苦しいものだ。
話し相手と見なしてくれるのなら、私の感性、判断も尊重して頂きたい。
貴公は会話のできる相手だと判断したゆえ、このように返答を行った。
これが、私の見込み違いでないことを祈るよ。
更なる返答は不要だ。叶うことなら、また別の話をしよう。
>>386
そうだな。細かな差はあれど、大差ないと言えばその通りかも知れん。
しかし、一つ一つを詳細に説明するとなると、とんでもなく長い話になる。
ここは簡単に行こう。
真っ当な『医者』は、医学院などを卒業し、相応の学位を取得している。
一方『薬師』『魔女』など、他の多くの治療師は……あくまで自称だ。
大概の者は師の元で修行に励み、専門的な技術・知識を身につけているが、
特に公的な資格や経歴を保証するものはないのだな。
無論、学位など持たないままに『医者』を自称する者もいる。
私が薬師を名乗るのも、そういった経歴上の理由が大きい。
医者に求められる知識や技術は、一通り持っているものと自負しているが――
師の教育は、独自研究や経験則に基づく内容も多いようだった。
師ご自身は医学院を出た立派な医者なのだがね。
どうも、医学院の方針や権威主義に不満をお持ちらしい。
魔女に関しては、また少しばかり特殊な事情がある。
というのも『人間の魔女』と『魔女という生き物』が存在するのさ。
貴公の想像する魔女は前者だな。調薬や魔術を行う民間の医療者。
後者は――永遠の若さと奇跡の如き力を持ち、関わる者を破滅に導く魔物だ。
魔女と薬師の違いとしては、基本的に薬師は魔術を扱わないという点だな。
大体こんなところかね。
もう少し詳しく聞きたいことがあれば、改めて聞いてくれたまえ。
- 391 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/19(Fri) 01:18
- >>387
左様。良薬が口に苦いのも、飲みすぎぬようにとの配慮なのさ。
何事にも適切な量はあり、それを超えれば毒となりうる。
物質的なものは勿論、精神的なものに関しても、同様だ。
心身の痛みや渇きを癒すものも、過ぎれば依存となる。
逆を言えば、悪徳と見なされがちなものも、適量ならば薬になるわけだ。
例えば、強欲や憤怒。どちらも行動を促し、悪しき現状を変える力となる。
例えば、嫉妬。他者との差異を認識しているからこそ、生まれる感情だな。
適度であれば、向上心の源となるだろう。
多くあって毒にならぬものがあるとすれば――知識と経験だろうか?
これらに関しては、多すぎて困る、ということはあまり聞かぬように思う。
可能性があるとすれば、何もかも知りすぎて退屈になる……だろうか。
私は依然として未熟者、その域に至らぬゆえ想像に過ぎんがね。
聖地でエルフの賢者と対面したなら、その辺についても聞きたいものだ。
>>388
ああ。北へ行くには良い時期だろう。
旅を見守ってくれた貴公らと別れるのは辛いものだが……
会わぬ時間があればこそ、適度な幻想が保たれるという面もあるだろうさ。
常に身近にあると鬱陶しい部分も、離れていれば恋しく思えるものだろう?
これは……蜂蜜酒か。ありがたい。好物だよ。
そのまま飲んでも良いものだが、果汁で割って飲むとまた美味い。
この地方なら、林檎か、苔桃か……旅先で試すのも楽しみだ。
一度に飲みすぎぬよう、気をつけねばなるまい。
思えば、食すというのも不思議なものだ。
食したものが自らの血肉となり、命を受け継いでいく。
日頃の食事こそ、最も身近な薬と言えるのかも知れん。
貴公もどうか、健やかでありたまえよ。
旅立つ者にも定住する者にも、それぞれの困難がある。
……とは言え、実際に旅立つのはもう少しだけ先だがね。
街にいるうちに蜂蜜酒に合いそうな肴でも買っておくか。
- 392 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/19(Fri) 15:27
- あなたも俺のバディーにならないか?
- 393 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/21(Sun) 02:05
- 詩人の語る英雄譚にも色々あるが、仲間との関係性もまた多様だな。
例えば、若者が多くの信頼できる仲間と行動を共にし、互いに成長していくもの。
長らく孤高の旅を続けていた英雄が、幼子を保護する展開も王道だ。
貴公はどのような物語がお好みかな。
>>392
バディーというのは、二人組の相棒のような関係性……だったか?
目的地が同じならば断る理由は特にないな。
複数人で行動した方が、何かと便利なことには違いない。
いざ行動してみて気が合わなければ、さっさと解散すれば良い話だ。
ところで……『も』という言い回しが気になるのだが。
他にも連れがいるのだとしたら、バディーではなくチームになるのでは?
……ほう。今は誰もいないのか。
次の目的地に合わせて、期間限定の相棒を作ると……なるほど。
互いに別の目的を持って旅をしている者同士なら、
結成と解散を繰り返すことになるのも道理か。
以前に、そのような物語を読んだな。旅人たちの話だ。
一人一人が異なる事情を抱えて旅をしているように見えたが、
問題の根幹は同じ――ただ一つの陰謀が招いたものだったのさ。
異なる道筋で解決を目指した旅人たちが、最後には同じ場所に辿り着く……
あの展開は見事だったな。胸が熱くなったよ。
私と貴公が相棒として過ごすのは、ごく短い間になるのだろう。
だが、そうして結んだ縁が、いずれどこかで再び繋がるかも知れん。
今はただ、運命神の粋な計らいに期待しておこうか。
- 394 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/23(Tue) 01:07
- 病を治す手立てが見つからなかったらどうするんですか?
- 395 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/23(Tue) 01:42
- 病みついた時、私は十四……いや、十三だったか。
よもや、治らぬままこの歳まで生きるとは思っていなかったな。
治るにしろ、治らぬにしろ、もっと早く決着がつくものと考えていた。
もしかすると、このまま八十過ぎまで生きてしまうのかも知れん。
毎日のように「もう寿命だ」「明日にでも迎えが来る」などと言いながら。
>>394
どうもこうも。今までと同じように、旅を続けるのみだよ。
現状、エルフの賢者との面会は最後の望みのように思えるが、
そのような存在がいることも、旅の最中に知ったことだ。
旅を続けるうち、また新たな希望を見出すこともあるかも知れん。
何も得られず、失意のうちに命を落とすかも知れんがね。
実際のところ、私に選択肢などあってないようなものだ。
この病を治さぬ限り、人並みに生きることすら叶わぬだろう。
体力が更に落ちれば、旅すらままならぬ状態になる可能性もある。
そうなった時、受け入れてくれる場所が見つかるとも限らん。
……得体の知れぬ病人というのは、本来、忌避されるものだからな。
今はただ、動けるうちに動き、手がかりを探し続けるのみ。
貴公が良ければ、どうか幸運を祈ってくれたまえ。
先の見えぬ旅では、こうしたささやかな交流が支えになる。
心の支えになるものは、いくら多くても良いものだろう?
- 396 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/23(Tue) 14:55
- 謎の買取屋へようこそ。
あなたが謎に思っている事を買い取りますよ。
- 397 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/25(Thu) 22:00
- いつ世を去るかわからぬ身の者は結婚などすべきではないのか
- 398 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/26(Fri) 00:04
- 古典的な表現に“ゴーレムを自壊させる”というものがある。
色男を示す言葉だが……少しばかり品性に欠ける言い回しだな。
使い所は非常に限られると言っていいだろう。
……由来?
ゴーレムには『EMETH』と書かれた符が貼られているそうだが、
その符から『E』を消して『METH』にすると自壊するという。
ここまで言えば、何となく分かるのではないかね。
つまるところ、駄洒落だよ。
>>396
一体なんの店かと思ってみれば……面妖な商売もあったものだ。
目下の謎といえば、やはり貴公を置いて他にあるまい。
買い取られた謎はどうなってしまうのか?
私の手元……いや、頭の中に残るのか、失われるのか。
契約成立する前に、買取り価格の見積もりなどできるのだろうか。
それに、謎をどのように金銭に変えているのかも気になるところだ。
商いが成立しているということは、需要があるのだろう。
情報屋の一種と思えば……いや、しかし謎を……?
考えれば考えるほど謎だらけだ。もはや他の謎が頭に浮かばん。
……そういえば、謎を食らう魔物の噂を聞いたことがあるな。人の世を餌場とし、様々な謎を解決して暮らしているのだと。
聞いた当時は無害な魔物もあるものだと思ったが……
まさか貴公……いや、まさかな。
>>397
そのようなことはないと思うがね。
結婚など、個人の感情より家の都合が優先されるものだろう?
たとえ余命が僅かであろうと、婚姻により利益が生まれることはある。
関係が結ばれるのは個人のみならず、家と血だ。
広く結んだ縁戚関係で力をつけた家など、さほど珍しくもない――
……おや、何だ。私の認識に問題があるかね。
ここは感情的な話をした方が良い場面か。
そうだな……当人同士が納得しているのなら、すれば良いと思うがね。
愛する人との離別は辛く苦しいが、いつか必ず訪れるものでもある。
早いか遅いか、どのような形で別れを迎えるかの差だ。
悲恋物語なら、病人側が身を引こうとするのが定番だな。
金銭的な問題や、相手の若い時間を奪うという理由で。
私としては、一方的な主張で決めようとするのは身勝手だと思うがね。
正解も不正解もない。互いによく話し合って決めるべきことではないかな。
いずれにせよ、部外者がとやかく言うのは野暮というものだ。
- 399 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/29(Mon) 23:39
- 病気が治ったらまず何をしたいですか?
- 400 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/07/30(Tue) 17:05
- 我ら病み人は古き病に選ばれ方舟となったのです
さあ友よ兄弟よ共に播種を
我等の死肉に芽吹く者達と
やがて来る新たな死と灰を迎えるために
- 401 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/31(Wed) 22:19
-
書物は語った。
時には剣と魔法、恐ろしい魔物たちとの戦いの物語を。
またある時には竜や英雄、姫君や神々との交流の物語を。
物語を望む者があるのなら、時を越えて、何度でも語るだろう。
私は手記を開いた。忘れぬよう、旅の記録をつけていく。
いくら書いたところで、全てを残せるわけではない。
詳細な記録を試みようと、零れ落ち、そのまま忘れられる内容もある。
反対に、意図して書かずにいたことを、深く記憶に刻むこともある。
こうして書いていると、改めて思う。
書物にも、語っていないことはあったのだろう、と。
文字と文字の間に幻を見たことも、きっとあったのだろう。
そういうものだ。
>>399
問いかけに、私は軽い調子で答えた。
「折角だ、恋愛の一つでもしてみようか。
……と言いたいところだが、恋などいつでもできるな。後回しにしよう」
この忌まわしい病を退治したら、勿論やりたいことがある。
だが、最優先でやりたいこととなると、どうだろうか。
最初にやるべきことなら決まっている。師に連絡をとることだ。
手紙を送り、それから正式に訪問をして、これまでの感謝を述べたい。
だが、それはどちらかと言うと『予定』である。
彼が問う『願望』とは、些か趣が異なるだろう。
「……そうだな。願望の話をするのなら、家族に……」
会いたい、と言いかけて、私は言葉を選び直した。
「いや……故郷の様子を見に行きたい」
私が故郷を離れてから、十余年もの月日が過ぎた。
追い出されたわけではない。捨てたわけでもない。
それらしい建前を用意した上で、自ら望んで旅に出た。
だが、故郷の状況も変化していることだろう。
叶う事なら大手を振って帰還したいところだが、歓迎されるとも限らない。
まずは、現在の状況を確認する必要がある。
再び私が争いの種になるようなら、遠目に様子を眺めるだけでいい。
「実を言うと、私は神々に誓約している身の上でな。
詳細は省くが……“この病が治るまでは、決して故郷の地を踏まない”と。
治ったのなら、様子を見に戻る程度のことは許されるだろうさ」
少なくとも、神は許してくださるだろう。
人と状況が許してくれないのなら、再び旅に出れば良い話だ。
- 402 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/07/31(Wed) 22:20
- >>400
――微かに、鼻をつく異臭がした。すっかり慣れた匂い。
血の混じった匂い。死を目前とした患者の、病の匂いだ。
周辺を見渡せば、その出処はすぐに分かった。
夜に浮かび上がるような、真っ白なドレスの娘。
毒々しい赤い花冠を身につけた娘が、同じ色のスカーフを持って佇んでいる。
歌うような調子で囁く声は、透き通るように美しかった。
しかし声とは裏腹に、その言葉は粘つく不快感を伴って耳に残る。
祝詞にしては禍々しい言葉が、耳の奥でざわざわと騒ぎ立てている。
「疫病の乙女……」
呟くと、くすくすと笑う声が応じた。
乙女の顔は見えない。見てはならぬものだという予感がする。
「懐かしい呼び名ですね」
魔女。
かつて異教徒として迫害を受け、森に隠れた癒し手のことではない。
各地の民話に登場する、災厄を撒く魔物。本物の魔女だ。
花冠の下に薄く透けるベールを纏った姿は花嫁衣装のようにも見えるが、
だとしたら、この娘は一体何と婚礼を挙げようというのか。
よく見れば、赤いスカーフを持つ手は死者の如く灰色に染まっている。
――大昔の伝承によれば。
かつて、疫病の乙女の腕を切り飛ばした若者がいたという。
それ以降、近隣の村で疫病が広がることはなくなったのだという。
私は剣を抜いた。それを見て、乙女はまた笑った。
「ご存知でしょう。私の腕を持って行ってしまった彼が、どうなったのか」
疫病は止まった。
「そうだな。英雄として語られている」
それと引き換えに、若者は命を落とした。
「とても勇敢な方でした。今なお、彼の目を忘れることができません」
疫病で命を落とした人間は、彼で最後だったという。
首を狙った剣閃に手応えはなく、ベールだけが地に落ちた。
乙女は滑るような不自然な動きで遠ざかり、異臭と笑い声もほどなくして消えた。
・・・
今しばらく別れを惜しみ、ゆっくりしていきたいところだが……
あれを放置するわけにもいかんな。続きは次の機会に話すとしよう。
貴公、どうか次に会う時まで息災であってくれ。私も努力はする。
それでは、良い旅を。
- 403 名前:真・スレッドストッパー 投稿日:停止
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